そのきっかけになったのが、2013年に相次いだツイッター炎上官僚とブログ炎上官僚の事件だった。

 覚えている方も多いと思うが、2013年 に、総務省から復興庁に出向していたキャリア官僚が、市民集会に出席した後、「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。(中略)感じるのは相手の知性の欠除に 対する哀れみのみ」などとツイッターに書き込んだことが明るみに出た。被災者の悲痛な叫びを「左翼のクソどもの罵声」と逆に罵ったのであるが、これは、決してこの官僚に限ったものではないなと私はすぐに思った。

 また、その直後に、経産省の管理職官僚が、「復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいいのに」「(復興増税は)年金支給年齢をとっくに超えたじじぃとばばぁが、既得権益の漁業権をむさぼるため」などとブログに書き込んでいたことが明るみに出た。この官僚は、経産官僚だった私の後輩だったが、周囲の人たちに聞いてみると、こんな話は省内でよくしているという。「悪いことだし、馬鹿だと思うが、こういう考えの人はよくいるよな」という反応だ。

 どうして彼らがそういう言動に出たのかを考えていくと、私は、あることに思い当たった。それは、実は官僚と言っても、一つのパターンで説明するのは難しいのではないかということだ。そして、官僚になる最初の段階から、いろいろなタイプの人間がいるのではないかと考えて、それをわかりやすく解説するために、5年ほど前に、「官僚の3類型」というものを考えついた。

 これは、話をわかりやすくするための仮説なので、この分類だけが正しいなどと言うつもりは全くないが、今回のニュースをきっかけに、官僚の在り方を議論する際の参考になると思うので紹介しておきたい。

 まず、分類に当たっては、4つの項目について、それぞれの類型の特色を整理した。これは、国家公務員だけでなく、地方公務員にも当てはまると言って良いだろう。

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4項目と3類型