ガーナ戦では存在感を披露した本田圭佑 (撮影・六川則夫)
ガーナ戦では存在感を披露した本田圭佑 (撮影・六川則夫)

 日本代表とガーナ代表の試合が5月30日に日産スタジアムで行われ、日本は0-2で敗れ、西野朗監督は初陣を飾ることはできなかった。21日から始まったキャンプで西野監督は、主力組で3-4-3をテストしてきた。守備時には両サイドハーフが下がって5バックになる5-4-1である。その理由を「3バックや5バックで押し込まれたときにどうトライするか、いままでやってこなかったからやっている。いろんな状況で対応したいのでトライした」と話した。

 さらにガーナは4-3-3の3トップだったが、「ガーナの力を消すことを考えれば3バックではなかった」と、4バックの可能性を示唆した。なぜかというと「スイス、パラグアイと試合をするが、すべては(初戦の)コロンビア戦に合わせてトライしている。すべてをコロンビア戦に合わせて持って行く必要がある。今日もそれを含めての試合だった」とコロンビア対策であることを明かした。

 コロンビアには1トップにファルカオというエースがいる。彼を封じるための3バックであり5バックだった。では実際に機能したかというと、収穫もあれば課題もあったというところだろう。それが象徴的だったのが1.5列目の2シャドーに入った本田圭佑と宇佐美貴史だった。

 宇佐美に関して西野監督は「彼の魅力はフィニッシャーとしていろんなバリエーションを持っているのが特長ですので、ゲームを作るだけでなくフィニッシュに絡んで欲しい」と、かつての教え子に絶大の信頼を寄せる。

 しかしガーナ戦で宇佐美が左サイドからドリブル突破を仕掛けたのは前半29分の1回だけ。シュートもミドルの2本にとどまった。彼のプレーを好意的にとらえるならば、スペースを作る動きで長友佑都の攻撃参加を引き出していたことくらいだ。

 そんな宇佐美とは対照的に、右サイドに入った本田は、ボールをよく収めて攻撃の起点となっていた。前半31分にドリブル突破からFKを獲得すると、彼自身がキッカーを務め、ゴール左下に決定的なシュートを放つ。そして、このCKからファーに流れたボールを至近距離からシュート。いずれもGKの好守に阻まれたが、日本がこの試合で獲得した決定機はこの2回だけだった。

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ロシアの地で化ける選手が出てくるのか…