23日、緊急会見で謝罪する日大アメフト部内田正人前監督(写真/福井しほ・AERAdot. 編集部)
23日、緊急会見で謝罪する日大アメフト部内田正人前監督(写真/福井しほ・AERAdot. 編集部)
日大の選手は退場したあと、負傷者用のテントの中で、声を上げて泣いていた(c)朝日新聞社
日大の選手は退場したあと、負傷者用のテントの中で、声を上げて泣いていた(c)朝日新聞社

 危険タックル問題で揺れる日本大学とアメリカンフットボール部。

【写真】退場したあとテントの中で声を上げて泣く宮川選手

 内田正人前監督が退任するも、被害者である関西学院大学は、日大の回答書に納得せず、刑事事件へと発展した。

「日大アメフト部だけでなく、今や社会問題化しています。この問題がテレビなどで報じられるごとに電話で抗議が殺到。地方の付属の高校でも生徒が通学途中に『あの日大か』と絡まれたり、イメージはますます悪くなるばかりで困っています」(日大関係者)

 その渦中の日大アメフト部のOBが数人、数日前に集まった。かなりベテランの世代から若いOBもいたというが、議論が白熱し、掴み合いとなる騒ぎも起こったという。その場にいた日大OBの証言。

「危険タックル問題が持ち上がったところ、ベテランOBたちは口々に『とんでもないことをやった。関学に土下座して監督やコーチの責任を認めるしかない』と発言。だが、若いOBは『いや内田先生が言っている通り選手が思いちがえてやったんだ。内田先生はそういう指示はしない』などと真っ向から反論して、掴み合いになり、店の人に喧嘩なら外でやれと注意されるほどエキサイトしたそうです」

 危険タックル問題で日大のOBは事実上、分裂寸前だという。

「今、関学擁護はアメフト部の現役世代、古いOB、一方、内田氏や大学擁護するのは若いOBという構図です。OBも分裂寸前ですよ」

 日大には、故・篠竹幹夫氏という日本のアメリカンフットボールに名を残す、名監督がいた。17回、大学王座に輝き、選手と一緒に寮に泊まり込み、24時間、アメフトに力を注いだ。内田前監督は、その下でプレーし、コーチから監督となった。

「強烈なカリスマ性がある指導で知られ、その頃、社会人チームはさほど強くなく、大学王者イコール日本一でした。それと比較すると内田前監督はカリスマもないし、成績も篠竹先生とは雲泥の差。だが、内田前監督の下でプレーした選手は『内田先生はそんな指示はしない』と守ろうとする。日大アメフト部のOBは、篠竹先生の世代と内田前監督の世代で対立を深めているのです」(前出・日大OB)

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