一方の大島も持ち前のパスセンスに加えて状況判断、守備意識を急速に向上させており、2年前のリオ五輪を経験した選手としてロシアを飛躍の舞台にするだけの能力は持っている。ただ、日本代表では昨年12月のE-1中国戦、さらに3月のマリ戦と前半に負傷交代を強いられており、彼自身も期するものがあるようだ。

「僕自身に関してはケガをしないことが一番ですし、チームとしてはやっぱり1つの方向にというか、やるべきことを明確にして、まずはガーナ戦に向けていい準備をしなければいけない」

 そう語る大島も[3-4-2-1]における攻撃の関わり方については柴崎と似たイメージを持っている。やはりできるかぎり中盤からポジションを動かさずに、チーム全体のバランスを崩さないということだ。

「相手を見ながら前の選手に入った時にはなるべくサポートに行くこともそうですし、逆にやり直させると言うか、テンポを遅らせることも重要なのかなと思うので、何が何でも前に関わりすぎるってことはしないようにはしようとは思います」

 組み立てに関しては後ろが3枚ということで4バックとはボールの受け方などが違ってくる。そこでスムーズさを欠いてしまうと相手のプレスにはまってボールを運べないだけでなく、奪われてカウンターを受けるリスクも大きくなる。

「3枚で回している時に真ん中にいたら、段差ができないと言うか、4枚でやる時の方が真ん中にいても自然に三角形作りやすいのはありますけど、そういった時にはうまくポジショニングを見ながら取れれば」

 そう語る大島も西野監督の指針通り、前体制のベースであった相手の背後を狙う意識やデュエルで戦う姿勢は引き継いで、そこに臨機応変な判断をプラスアルファしていくことを意識している。それを新しいシステムの中でどう出していけるかはボランチの注目ポイントだ。

 攻守の要的な存在になる山口は[3-4-2-1]におけるボランチの役割について「ポジション取りや受け方とか、守備のハメ方もそうだし、噛み合っていないところがあるので、そこは合わせていかないといけない」と語る。短期間でどこまで仕上がるか未知数ではあるが、それも含めて楽しみだという。

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ボランチのレギュラーを掴むのは…