「自分らしくいることを恐れていないから。自信があり、不確かなことも沢山あるけれど、それに体当たりでぶつかっていく。失敗することを恐れていない点が彼女の強みだと思う。また自分の信じたことは真剣に取り組んでいくという点も、とても魅力的だと思う」

――自分と共通点があると思いますか?

「いくつかあると思うわ。私は彼女ほど反抗的ではないけれど、思ったことをはっきり言うところはよく似ていると思う。彼女は自分の事を良く分かっていて、はっきりした夢を持っている。その点も共通点だと思う。また友情は彼女にとって大切だという点も。ただ友達に対する態度が時々間違っていたりもするのだけど(笑)」

――あなたと実のお母さんとの関係はレディ・バードと比べてどうですか?

「かなり違うわ。私と母はとても仲が良く親密だから。言い合いになったりすることはない。いつも電話で話したり、SMメッセージいしたり、友達みたいなの」

――アカデミーをはじめ多くの賞に本作はノミネートされ、本年度の話題作となりました。どんな理由があると思いますか?

「これまでに『レディ・バード』のような映画がなかったからだと思う。これほど10代の少女を正確かつ正直に描いた映画はあまりない。主人公はレディ・バードだけれど他のキャラクターも、細心の注意を払い時間をかけて作り上げた。それによってレディ・バードの世界を内側から描くことができたと思う。10代の少女の視点や彼女が友人の立場を理解しようとする気持ちや、そういった過程が上手く描かれていると思う。良い映画がそうあるべきであるように。ありきたりの10代コメディーとは違っていていると思うの」 (取材と文・Yuko Takano)