2015年オフに3対3のトレードでレイズへ放出した選手に含まれていたブラッド・ミラー三塁手とローガン・モリソン一塁手も新天地でブレークした。ミラーは2016年にキャリアハイの30本塁打、81打点をマークし、モリソンは移籍1年目こそ冴えなかったが2017年には38本塁打、85打点の大活躍だった。ちなみにこのトレードでもマリナーズが獲得した選手たちはろくな働きができずじまいだった。

 ちなみに元マリナーズで日本のプロ野球チーム移籍後に活躍した選手たちもいる。2013年にNPB史上最多のシーズン60本塁打を放つなど、ヤクルトの主砲として長く活躍しているウラディミール・バレンティン外野手、来日1年目の2017年にオリックスで26本塁打を放ったステフェン・ロメロ外野手は、いずれもマリナーズでメジャーデビューするも大成できず、日本で真価を発揮した選手たちだ。

 トレードを含めた移籍の多いメジャーリーグでは放出後に活躍という裏目の結果は、ある程度は仕方ない。とはいえファンにとっては面白くない、気持ちがもやもやするのも正直なところ。「あのときに放出しなければ……」という思いは今後も尽きることはないのだろう。それもまたメジャーリーグを見るうえで避けて通れないものなのだ。(文・杉山貴宏)