ツアーがスタートする前月には、ユーミンが初めて夏フェスに参加。8月4、5、11、12日に茨城県ひたちなかで開催される「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」だ。

「今までも夏フェスへのお誘いはいただいていたんですけれど、なかなかタイミングが合いませんでした。フェスのためにメンバーを組むのが難しいこともあって。でも、今回はツアー前のちょうどいい時期で、主催者側にわが社(事務所)の元スタッフもいるので参加できることになりました。ロックインジャパンはクリーンを意識していて、お客さんも疲れないように配慮されているフェスだと聞いています。歌う曲はまだ決まっていません。私は今回のベスト盤にも入っている挑発的なロック『Cowgirl Blues』とかおもしろいと思っているけれど、私がいいと思う曲はセットリストになかなか入らないんですよ(笑)」

 ユーミンはそう言うが、そのセットリストについて松任谷に訊いてみると。

「ポピュラーな曲が中心になるでしょうね。フェスはアウェイです。ほかのアーティストのファンがたくさんいる。ロックバンドのファンも多いはず。厳しい視線を浴びながらのステージになるから、誰もが知るような曲がいい。マニアックなものは喜ばれないでしょう。バンドはこの日だけの特別なメンバーです。お客さんの立場をイメージすると、うわさには聞いてはいたけれど見たことがないものを見てみたい。それを今いろいろ考えています」

 8月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」、9月からの「Ghana Presents 松任谷由実 TIME MACHINE TOUR ~Traveling through 45 years~」、それぞれ楽しみだ。(神舘和典)

著者プロフィールを見る
神舘和典

神舘和典

1962年東京生まれ。音楽ライター。ジャズ、ロック、Jポップからクラシックまでクラシックまで膨大な数のアーティストをインタビューしてきた。『新書で入門ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)『25人の偉大なるジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。「文春トークライヴ」(文藝春秋)をはじめ音楽イベントのMCも行う。

神舘和典の記事一覧はこちら