それにスタジオでバーベキューロケのVTRを見る「サブ出し」に僕もみんなもいるわけですよ。時系列で考えると、ロケはスタジオ収録の前だと素人でもわかるじゃないですか。ロケで揉めていた人たちが、スタジオで笑い合っているんだから、そういうことなんです。ここは言葉にするのは難しいけど……。それを見て「可哀想」って思う人たちは、時系列さえ理解していないと思うんですよね。

 テレビを見ない世代と言われるけど、見ている子は純粋すぎることが多い。ゆとり教育はもう終わったけど、本来はものを見る力とか自分で判断していく力を伸ばすための教育だったと思う。その1番大切なところが育っていないんじゃないかという気がしてきますよね。だからエンターテインメントに「引っかかった」って思ったときに「テレビはやらせばっかりじゃねーか」って言いかねない。それがぐちゃぐちゃになって、難しくなっているなと思うんですよね。

 新聞だって会社によって個性があるし、書いてあることだけが正解じゃない。ネットニュースのタイトルに「竹山がけんか」って書いてあるだけで、そうだと信じちゃう人もいる。そういう錯覚を冷静に分析する力が必要かなと思うんです。

 あまりにも与えられすぎ、信じすぎということも背景にあるのかな。もっとしくじって怒られてもいいんじゃない? 傷ついてもいいんじゃない?って、若い世代の人たちにはちょっと思ったりしますね。

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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