長澤まさみ(左)と吉高由里子 (c)朝日新聞社
長澤まさみ(左)と吉高由里子 (c)朝日新聞社

 4~7月クールのドラマが、前半の放送を終えて視聴率や評判などがほぼ出揃った。視聴率ではテレビ朝日系のドラマ3作品(『特捜9』、『警視庁・捜査一課』、『未解決の女』)が視聴率2桁代をキープして安定感を見せている。また、TBSの「ブラックペアン」も常に2桁代で順調な滑り出しだ(関東地区・ビデオリサーチ調べ/以下同)。

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 一方で、今クールで特徴的なのは、視聴率は決して良いとはいえないが、内容が抜群に面白いという声が聞こえている作品がある。特に、フジテレビの月9「コンフィデンスマン.jp」の長澤まさみ(30)と、日テレの水曜日22時「正義のセ」の吉高由里子(29)という脂の乗った2大コメディエンヌが主人公を務めるドラマの評判が良いようだ。

 まずは『正義のセ』。視聴率は初回から10%前後で推移している。

「『正義のセ』は、すでに芸能ニュースなどで話題になっていますが、検事モノということでフジの名作ドラマ『HERO』と似ているのでは、という印象は確かにありますね。ただ、吉高由里子演じる新米検事と、それを補佐する担当検事役の安田顕とのコンビが絶妙で、見やすい作りになっている。また、寺脇康文や塚地武雅、広瀬アリスなどの配役が絶妙なんです。見ている側に『この人がここにいそうだな』というキャラクターがばっちりハマっています。見ていて飽きが来ない、いかにも日テレらしい作りだと思います」(民放ドラマプロデューサー)

 裏を返せば、意外性がないともいえるが、安定したキャスティングと脚本で及第点をとっているといえる。

 『コンフィデンスマン.jp』は、残念ながら視聴率は1桁代を推移していたが、徐々に伸ばしつつある。「リーガルハイ」シリーズ(フジテレビ系)や、「相棒」シリーズ(テレビ朝日系)などを手掛けた人気脚本家・古沢良太の手腕もあって、熱心なファンからの支持も熱い。

「こちらも、主演の長澤さんはじめキャスティングが絶妙ですよね。小日向文世さんに東出昌大さんで脇を固めている。さらに、ゲストも石黒賢さんや佐野史郎さんなど、話題性狙いではなくドラマ好きがうなるキャスティングです。とにかくテンポの良い展開に、しっかりついていけるのはひとえに長澤さんをはじめ、キャストの演技力の賜物。月9らしくはないですが、1話完結ということもあり満足度は高いでしょう」(同)

 芸能リポーターの川内天子氏も今作の長澤まさみの演技に注目しているという。

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「もう私は優等生じゃなくてもいいの」