ただ、無理矢理、ホント強引に、低い精神年齢の良さを挙げるなら、「分別」がないことではないだろうか。もちろん、人の迷惑にならない等の最低限の「分別」は、我々ローメンタルエイジにも必要だ。いま何で英語にしたかは謎だが、てかちゃんとした英訳になってるかも謎だが、そういうことなのだ。どういうことだ。準備万端でなくても、見切り発車でも、ゴーしちゃう分別のなさ。ちゃんとした英訳かも分からぬまま書いちゃう分別のなさ、ここに俺は、俺自身に期待を寄せたい。見切り発車でゴー。身の丈越えてゴー。

 そんな訳で、この仕事、やることにした。コラムが何なのかも分からないまま、コラムをやることにした。コラムを書く自信がつくまでコムラを書かないなら、恐らく一生コラムは書かないであろう。途中、コムラになってしまったが、そういう「無茶なことする分別のなさ」を経験することが、なんらかの形で、浮き草稼業である役者に還元されればよい、と俺は思っている。

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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