そしてつい最近では、2016年のソフトバンクの例が挙げられる。工藤公康監督の下で1年目に日本一に辿り着いたチームは、充実した戦力をそのままに2年連続の日本一を目指して開幕から順調に白星を重ねた。だが、6月半ばから日本ハムが破竹の15連勝を飾るなど猛追を始めると、ソフトバンクは夏場以降にバンデンハーク、和田毅、柳田悠岐などの主力に故障者が続出し、チームもまとまりを欠いた中で貯金を増やせなかった。8月半ば以降は激しいデッドヒートを繰り広げたが、最終的に9月21日、22日の直接対決に連敗し、2.5ゲーム差の2位で終焉。6月24日の時点で11.5ゲーム差をつけていた相手に歴史的逆転劇を許す結果となった。

 過去4例を振り返ると、快進撃の原動力となっていた強力打線が夏場以降に打てなくなったこと。そして主力の離脱者が目に見える要因として挙げられる。果たして今年の西武はどうか。早くも「10年ぶり優勝」への声が高まっているが、その期待と同時に不安も内包している。