平尾容疑者は、海を泳いで本州へ渡ったという(※イメージ写真)
平尾容疑者は、海を泳いで本州へ渡ったという(※イメージ写真)
平尾容疑者 (c)朝日新聞社
平尾容疑者 (c)朝日新聞社

 まるで映画のような刑務所からの逃走劇にようやく終止符がうたれた。

【身柄を確保された平尾容疑者はこちら】

 今月8日、愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者が脱走した事件で、広島県警は30日、広島県尾道市の向島に潜伏しているみられていた受刑者の平尾龍磨容疑者(27)とよく似た男を広島市内で身柄確保。

 本人だと認め、指紋などから本人と確認された。

 平尾容疑者は、逃走した際、乗用車を尾道市向島に乗り捨てていたことから島に潜伏しているとみられた。島では、平尾容疑者とみられる人物に服や金が民家から盗まれて、広島県警は連日、大勢の捜査員を配備し、捜索にあたっていた。

「平尾容疑者が尾道市向島に潜伏しているとずっと捜査していた。数日前に、防犯カメラによく似た男の映像が映っていたという情報をニュースで知ったようで、平尾容疑者は4、5日前に海を泳いで本州に渡り、広島駅にたどり着いたようだ。数日前に『濡れた服で歩いていた男がいた』という情報もあり、本州側に渡った可能性があると警戒していたところ、本人を見つけた」(捜査関係者)

 決めとなったのは、「似た男がいる」という情報が寄せられたことだ。

「広島駅の東にある書店に『よく似た男がいる』と通報があった。そこで駆け付けると、男は書店を出て数分のところにいた。平尾容疑者と似ていたので、声をかけると、すぐに本人と認めた。逃走した時とは、違った服を着ていた」(前出の捜査関係者)

 現場はマツダスタジアムにも近くだった。今日は広島VS阪神の野球の試合があり、ごった返しているなかで、パトカーが駆け付けるなど騒然としたという。(AERA dot.取材班)