「壊し屋」とんねるず　木梨憲武と石橋貴明の決定的な違いとは？

　一方、同じとんねるずの一員であるにもかかわらず、木梨は好感度の高い芸人である。おしゃれで優しくて才能の豊かな趣味人、といった良いイメージで知られている。コンビとして長年連れ添って二人三脚で歩んできた2人の間に、これほどのイメージの違いが生まれる理由は何か。それは、2人の「壊し屋」としての資質の違いにある。

　石橋が小学生の頃、父親の経営していた会社が倒産して、夜逃げをすることになった。それからは東京・成増の六畳一間の風呂なしアパートで家族4人で生活することになった。貧しい家庭で育った石橋は、とにかく有名になりたい、出世したい、というハングリー精神の強い人間だった。芸人の地位が低かった時代にデビューした彼は、なめられないようにあえて強気で偉そうに振る舞うことで注目を集めようとした。なりふり構わずハチャメチャに暴れ回った結果、大人に反発したい年頃の若い世代の視聴者の心をつかんだ。