強力・西武打線で打棒爆発の山川穂高 (c)朝日新聞社
強力・西武打線で打棒爆発の山川穂高 (c)朝日新聞社

 西武打線の爆発が止まらない。4月25日のソフトバンク戦では今季最多の12得点を奪って5試合連続で9得点以上をマーク。これは2005年の阪神に並ぶプロ野球タイ記録。まさに歴史的豪打で首位を爆走している。

【写真】球史に残る1985年の猛虎打線

 数字を見るだけで恐ろしい。21試合を終えた26日の時点で1試合平均6.2得点を奪い、チーム打率.282、131得点はともに12球団トップ。打率3割打者(規定打席以上)が4人、打率10傑には6人(打率順に森友哉、山川穂高、秋山翔吾、外崎修汰、源田壮亮、浅村栄斗)がランクイン。4番の山川が9本塁打&28打点で2冠王という状況だ。

 ポイントは、この好調が「いつまで続くか」であるが、過去には打ち続けてリーグ優勝を飾った例も多い。まず初めに比較対象にしたいのが、1985年の阪神「ニューダイナマイト打線」だ。

 1番の真弓明信(打率.322、34本塁打)、3番・バース(打率.350、54本塁打)、4番・掛布雅之(打率.300、40本塁打)、5番・岡田彰布(打率.342、35本塁打)と4人が打率3割&30本塁打をクリアし、チーム打率.285、219本塁打で1試合平均5.62得点を誇った。

 この年の阪神も、前年に4位で終えて投手陣の駒不足も指摘され、開幕前の下馬評は高くなかったが、開幕2カード目の巨人3連戦で伝説のバックスクリーン3連発が飛び出し、その後も驚異的な得点力を維持したまま21年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた。

 同じく“打ち勝った”という意味では、2001年の近鉄「いてまえ打線」の方が上かも知れない。3番・ローズ(打率.327、55本塁打)、4番・中村紀洋(打率.320、46本塁打)の中軸2人を中心に、チーム打率.280、211本塁打で1試合平均5.5得点。投手陣がリーグワーストのチーム防御率.4.98に甘んじながら、打線の破壊力で劇的な優勝を飾った。

 さらに2003年のダイエー「ダイハード打線」も忘れられない。村松有人、川崎宗則の1、2番コンビが足でかき回し、3番の井口資仁(打率.340、27本塁打)から4番・松中信彦(打率.324、30本塁打)、5番・城島健司(打率.330、34本塁打)、6番・バルデス(打率.311、26本塁打)までの4人が100打点以上をマーク。打率3割以上が6人を数え、チーム打率.297、154本塁打で1試合平均5.87得点を叩き出した。この年、20勝を挙げて沢村賞を受賞した斉藤和巳と同じような働きを、今年の菊池雄星が見せられるか。

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マシンガン打線も赤ヘル打線も及ばない