「自由な発想を持った、個性的な生徒が多い。大学と隣接しているため、アカデミックな雰囲気を間近に感じていることも影響しています」

 本物に触れる教育を実践し、理科では実験や観察が多く、音楽では楽器を演奏する。坂井教諭は共学校の良さを語る。

「学校は社会の縮図。男女で異なる点もありますが、逆にそれが刺激になります」

 坂井先生の専門は家庭科だ。調理実習は男女一緒に行っている。授業では「ジェンダー」をテーマに扱うこともあり、男女が共に考えることで、将来に結びつく深い学びが可能になるという。

「今は男女共同参画社会です。女性だけが家事や育児を担う時代ではありません。男子生徒、女子生徒の視点から意見を交わすことで、異性への理解も深まります」

 男子は中学入学当初は女子に比べて幼いが、高校から急に大人びて頼もしくなる。そのような異性の変化を間近に見られるのも共学校の特徴だ。坂井先生は言う。

「女子が生徒会長になってリーダーを務めることもあります。本校の男子生徒は、将来抵抗なく女性上司と協力して働けると思いますよ」

 別学校と共学校のどちらにも良さや特徴がある。最初からどちらかに決めるのではなく、幅広く学校を探そう。選択肢が多いほど、わが子に合った学校がみつかるはずだ。

(文・柿崎明子)

カンペキ中学受験 2019 (AERA進学BOOK)

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