森林経営管理法案は昨年秋、安倍首相の私的諮問機関である規制改革推進会議と未来投資会議で議論され、その骨子が固まった。その間、林野庁での林政審議会で90分しか議論されておらず、法案提出までのプロセスで林業の専門家の意見が十分に反映されているとはいえない。

 衆院の審議ではデータの不備などが指摘されたにもかかわらず、共産以外の政党が賛成し、審議入からわずか8日で衆院を通過した。相次ぐスキャンダルで与野党の激しい攻防が続く今国会で、参院で日本の森林問題について議論を深めることができるのか。「良識の府」としての存在意義が問われている。(AERA dot.編集部・西岡千史)