「阿波踊りの広告などさまざまな発注先は徳島新聞のグループ会社。チケットも人気のある日程、座席は徳島新聞が独占。阿波踊りは徳島新聞が儲かる構造が長年、築かれてきた。いわゆる徳島新聞方式を協会が、暗黙の了解で追認してきた。だが、徳島新聞は、協会だけに責任を押し付けている」

 市は徳島新聞の3億円の基金を受け取り、「阿波踊りのノウハウがある」と新しい実行委員会に参加させる方針だ。

 ここで大きな問題が浮上する。阿波踊りの観覧席は「桟敷」と呼ばれ、特製のもの。徳島市の破産の訴えが認められ、協会が抗告しているため、所有権が宙に浮いたまま
だという。

 山田理事長は異を唱え続ける。

「桟敷の所有権は、赤字返済が完了すれば、協会のもの。徳島市は数億円もの税金使ってまた新しい桟敷を作るのですか? また、市は新しい実行委員会を作って阿波踊りをやるというが、当然、そこには市の職員が多数、かかわることになり、税金に無駄遣い。市の権限が強くなり、よくない」

 迷走する阿波踊りは無事、開催できるのか。