2018年に入ってから、吉田は相次ぐケガに見舞われ、2度の戦線離脱を余儀なくされた。

 1回目のケガは、1月中旬に痛めたハムストリング。ケガは軽度で2週間ほどで復帰できたが、その後はしばらくベンチ暮らしを強いられた。

 ところが、コンディションが上向いてきた2月16日の練習で、今度は左膝の内側側副靱帯を痛めた。約1カ月の離脱を経て、3月18日のウィガン戦でベンチに復帰。国際マッチウィークを挟み、4月8日のアーセナル戦でようやく実戦復帰した格好だ。

 試合後、吉田は「個人的には3カ月ぶりの試合。やっぱり固さもあったし、試合勘も『まだまだ』と感じましたけど、一歩前に踏み出して良かったと思います」と課題を口にしながらも、まずは実戦復帰できたことに意義があると話した。

 とはいえ、プレーぶりは長期離脱の影響を感じさせなかった。ポジションは5バックシステムのセンターバック中央。オランダ代表DFのベスレイ・フート(左CB)と、元イングランドU-21代表DFのジャック・スティーブンス(右CB)を両脇に控え、最終ラインを統率した。そして、動きも軽快だった。

 ただし、相手は難敵アーセナルである。ガボン代表FWピエール=エメリク・オーバメヤンと、左FWに入りながら何度も中央部にスライドしてくるイングランド代表FWダニー・ウェルベックの動きに注視しながら、吉田は守備に走った。

「アーセナルとやるときは選手がどうのこうのというよりも、あそこら辺(バイタルエリア付近)でボールを回されて、ギャップを突かれたり、ワンツーだったり、裏のスペースにスルーパスを出されるプレーに気を付けなくてはいけない」

 しかし、「(相手が)うまかった」と本人が認めるように、一瞬のスキを突かれた。アーセナルの先制点の場面では、バイタルエリアまで降下したオーバメヤンをマークしようと、5バック中央の吉田が前方へ位置を押し上げた。だが、吉田が飛び出したスペースを、アーセナルに巧みに使われた。少ないボールタッチとフリーランで守備網を突破されると、フートとスティーブンスの両CBも中央部へ絞り切れず、ゴールを許した。

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