これを繰り返しているうちに語彙力や表現力が自然と身につき、「借り物の言葉」ではない、あなた自身の言葉で伝えられるようになります。

 ここで、1本の「木」をイメージしてみてください。それは、あなたの「言葉の木」です。「根」から吸収する水分や栄養が日々のインプットです。

 芽が出てきたら、今度は自分の「軸」になるような「幹」を育てる必要があります。そこまで育てて初めてアウトプットにあたる「枝葉」が重要になってくるのです。

 地面に「根」を張らず、「幹」を育てないまま、テクニックや型だけを覚えて活用するというのは、土から枝葉だけが出た木のようなものです。それでは「花」を咲かせ「実」をつけることはできませんし、しばらくすると枯れてしまうでしょう。

 しっかりとした「幹」があり、それを支える「根」があると、同じように見える「枝葉」であっても、「言葉」はずっと重く感じますし、結果として「説得力」や「影響力」を持つことができるのです。

 かといって、せっかく「幹」「根」がしっかりしていても、「枝葉」がなくては周囲からその価値をわかってもらえませんし、成果を生み出しにくいでしょう。どれもが大切なのです。

 現在のあなたの「言葉の木」はどんな姿をしていますか?

 もし、自分の「言葉の木」に自信がないのであれば、もう一度、種を植え、根を張り、幹を育てていきませんか?

 もちろん、ある程度、時間はかかります。木が大きく成長するのに時間がかかるように。

 しかし、短期間で得た成果は短期間で消えてしまうことが多いのも事実。

 時は4月。

 スタートするにはちょうどいい季節です。

 1年後、5年後、10年後に花を咲かせ、実がなるように、まずは「種」を植えること、「1冊のノート」を買いに行くことから始めてみませんか。(川上徹也)