日本に来たら、この店に来ようと思ってもらいたい、そのために研修後もeラーニングを続けているという。

 前出の安東さんは「目標は日本人でも外国人でも同じように接客すること」と話す。

「最初の一言は『May I help you?』ではなく、むしろ日本語の『いらっしゃいませ』がいいと思っています。大切なのはおもてなしの気持ちをお伝えすることです。単に話の内容がわかればいいというのであれば、翻訳ツールを使って対応する方法もありますが、流暢な英語でなくても人対人のぬくもりあるやり取りを大事にすることで、商品を通して思い出作りのお手伝いができます。それが、また行ってみたいという気持ちにつながるのだと思います」

 観光庁の分析では外国人客の中でも、訪日回数の増加とともに一人当たりの旅行支出も増える傾向がある。2020年の東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据え、日本経済の伸びしろは「コト消費」最前線のコミュニケーションがカギになりそうだ。(AERA dot.編集部・金城珠代)