新学期が始まりました。でも、学校生活の中には、大人は「これくらいのこと……」と意にも介さないようなことが、子どもにとっては落とし穴となっていることがあるのです。それをきっかけに学校へ行きたくなくなったり、勉強が嫌いになってしまったり……。

 AERAwithKids春号では、最近の小学校事情に詳しい、白梅学園大学教授の増田先生にお話を聞きました。小1生に多く見られる落とし穴と、その対処法を心得ておきましょう。

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(1)長く座っていられない

 授業中はもちろん、朝礼などのちょっとした時間でも、同じ姿勢を保つことができない子どもが最近増えてきている様子。大人はつい「学校に行けば落ち着くだろう」と思いがちですが、そうはいきません。

「正しい姿勢で座り続けるには、実は体力が必要です。そもそも、体感がしっかりできていないと、長く座ることが苦痛なのです」(増田先生)

 座ることが苦手な子どもは、体幹を意識して鍛えてみましょう。ケンケンパやスキップなども、楽しく体幹を鍛えられます。また、授業中しっかり先生の話を聞くことができる集中力も大切。家庭でも静かに座って読書や絵を描く時間を設けるなど、集中力を養うフォローを心がけましょう。

(2)学校のトイレが苦手

「先生、トイレに行きたいです」となかなか言えなかったり、学校のトイレが嫌だったりという子どもも実は多いもの。トイレを我慢して、帰りの会が終わったらダッシュで家に走る子どもも多く見られるそう。

「トイレを我慢することは、健康にもよくありません。まずは、友達の家に遊びに行ったときなど、友達のお母さんに『トイレを貸してください』と言えるように練習してみましょう。外出の際は、いろいろな場所のトイレに行って『トイレ体験』を増やすことも、自宅以外のトイレへの抵抗感をなくします」(増田先生)

(3)忘れ物が多い!

 親がどんなに注意をしても、なぜか忘れ物が多い……。「もう小学生なんだから、自分の荷物の準備は自分でやりなさい」と子どもに任せるケースは多く見られますが、もしかすると子どもはまだ「準備の方法」を知らないのかもしれません。

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AERA dot.編集部
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