■自分が欲しかった「会計のマンガ」は自分で描くしかない

 こんな調子ですから、私の在学中に誰かマンガでわかりやすく解説してくれないかなあ……という小さな望みに、まさか卒業後の自分が取り組むことになろうとは予想だにしておらず、実際に同級生たちからも「かんべが会計!?」と驚かれました。

 しかし、苦手だったからこそわかるつまずきポイントを押さえ、経営活動全体から見たお金の動きをきちんと絵で表わさねば!という使命感と、原稿料を新居のローン返済の足しにできるかもという庶民魂が、私を動かしました。

 会計のことを(一応)わかっていて、かつマンガが描ける私が描かなくて、誰が会計のことをマンガでわかりやすく描けるものか! という自分なりの使命感もありました。

 小学生のときはマンガ「日本の歴史」、センター試験の前には「ベルばら」でフランス革命。日本人として漫画というツールに助けられ、漫画のおかげで知識が身についてきた私が、決算書というジャンルでマンガという表現に少しでも恩返しができているでしょうか。

「会計がわからない」「一度勉強したけど秒速で忘れちゃった」「MBAなんて意識高い人にしか関係ない資格でしょ」という人にこそ伝えたい、「会計がわかると何がHappyか?」という命題。

 戦略に即した数字がわかることで、広がる世界があります。

 情と理の両輪を鍛えることで進める道があり、その知識は家計改善にも効果的です。

 確かに義務教育ではカバーしない内容ですが、苦労してでも身につけておいて損はありません。

 新年度が始まるこの時期に、決算書の読み方を勉強してみませんか?(MBA漫画家/かんべみのり)