主力選手の抜けた穴を新外国人選手で埋めようとするケースは多いが、今年であれば野上亮磨(西武巨人)の抜けた西武のカスティーヨ、増井浩俊(日本ハムオリックス)の抜けた日本ハムのトンキンなどがその例に当てはまる。カスティーヨは最速166キロとも言われているスピードボールが武器のパワーピッチャーで、2016年には韓国リーグでプレーした経験もある。上半身の強いフォームで左肩の開きが早いため空振りを多くとれるようには見えないが、そのスピードはやはり魅力である。

 ただ制球は、かなりアバウトでスタミナ面も不安が残る。先発として起用すると報道されているが、結果が出ないようであればリリーフとしての適性をテストしても良いだろう。

 一方、トンキンは完全なリリーフタイプで、メジャーでも141試合にリリーフ登板し、イニングを上回る奪三振をマークしている。身長2メートルの長身だが、サイドスローに近い腕の振りから横の揺さぶりで勝負するタイプだ。

 コンスタントに150キロを超えるスピードをマークしており、手元で鋭く変化するスライダーとその対になるシンカーも操る。オープン戦では6試合、6回を投げて無失点と安定したピッチングを見せた。勝ちゲームのリリーフとして起用されることは間違いないだろう。

 大谷翔平(日本ハム→エンゼルス)の野手としての穴も埋める必要のある日本ハムが獲得したアルシアはツインズに所属した2014年には20本塁打をマークしているパワーヒッターだ。少しヘッドが下から出るアッパー気味のスイングから強く引っ張るバッティングが持ち味。ステップが少し淡泊で三振が多い脆さはあるが、高く打ち上げる弾道はフェンスの高さのある札幌ドームには合っているように見える。実績のある強打者タイプの左打者がいないチーム事情にもマッチした補強になりそうだ。

 一方で新外国人選手と言っても一軍の座が約束されていないケースもある。ヤングマン(巨人)、カンポス(広島)などがその例に当てはまるだろう。ヤングマンは2011年のドラフト1巡目でブルワーズから指名されたという輝かしい経歴が話題の右腕で、2015年には先発で9勝もマークしている。しかし、昨年のセ・リーグ本塁打王であるゲレーロが加入し他にもマギー、マシソン、カミネロと実績のある選手が名を連ねていることもあって、開幕は二軍スタートとなる見込みだ。かなり極端にインステップするフォームでバランスが良いとはいえず、制球力も課題が残る。オープン戦でも打ち込まれており、まずは二軍でしっかり結果を残すことが必要だ。

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新助っ人の活躍はペナントを左右