問題はピッチに状況変化が起きた時にいつ、誰が声をかけてコントロールしていくかということだ。おそらく、第一にはセンターバックの吉田麻也、第二にキャプテンの長谷部となるが、マリ戦のように前の守備意識と後ろの守備意識がリンクしないとか、ウクライナ戦のように組織として相手の変化に対応できない状況ができるだけ長くならないように構築していく必要がある。

 特にその点で難しくなるのがコロンビアとの初戦だ。ホセ・ペケルマン監督が率いるチームは4-4-2、4-3-3、4-2-3-1というフォーメーションを使い分けるだけでなく、ボールを持つ時間、相手にわざと持たせてロングカウンターを狙う時間など、生き物のようにチーム戦術を変化させることに長けており、選手交代も多彩だ。ある意味「ハリルホジッチvsペケルマン」の様相もあるが、実際にプレーする選手の対応力は現状を見れば差がある。

 セネガル、ポーランドも一筋縄ではいかない相手だが、このコロンビア戦に向けては選手のチョイスもかなり練って臨む必要がある。たとえば、コロンビア戦は経験豊富な選手でベースを固め、セネガル戦は体力のある若手を中心に組み、ポーランド戦は総力戦といった組み方もあるだろう。ハリルホジッチ監督がどういうプランを立てて、それを最終的なメンバー選考にどう反映させるのか。そこから直前キャンプでどこまで準備を進められるか。基本的にチーム力が上の相手ばかりの状況で、その1つ1つが難しい仕事になっていきそうだ。(文・河治良幸)