いよいよ始まるプロ野球ペナントレース。毎年、優勝争いとともに注目を集め、大きな話題となるのが個人タイトル争いである。本命馬か、対抗馬か、それとも新星登場か。セ・パともに「投手三冠」の本命がいる、2018年シーズンの投手3部門のタイトル争いを予想してみたい。

 まずはセ・リーグの投手3部門。昨季は菅野智之(巨人)が17勝、防御率1.59で2冠に輝き、最多奪三振は187でカージナルスに移籍したマイコラス(巨人)が獲得した。内容、印象度的にも菅野のパフォーマンスは特筆すべきもので、最多奪三振部門でもリーグ2位の171をマーク。今季のオープン戦でも貫禄のピッチングを披露し、自身通算4度目の開幕投手も内定済み。怖いのは故障のみ。マイコラスが退団したことで、セ・リーグでは2010年の前田健太(広島)以来の投手三冠王の可能性が高くなったと言える。

 各部門で菅野の対抗馬を見つけたいところだが、現状ではそれがなかなか難しい。前述の187奪三振(リーグ1位)に加えて、昨季14勝(同3位)、防御率2.25(同2位)のマイコラスがメジャーへ復帰し、昨季15勝(同2位)を挙げた薮田和樹(広島)はオープン戦で乱調が続いてローテ剥奪の危機だ。そうなると、防御率2.39(同3位)、奪三振数155(同3位)をマークしたメッセンジャー(阪神)が対抗馬として浮上する。外国人史上初の4年連続開幕投手からの中5日プランも浮上中。いきなりではあるが、菅野との直接対決となる30日の開幕戦がタイトル争いの行方を左右する一戦になる。

 そのほか、ジョンソン(広島)、今永昇太(DeNA)、秋山拓巳(阪神)、田口麗斗(巨人)ら昨季の成績上位組がどこまで菅野に迫れるか。昨季不振だった野村祐輔(広島)も巻き返しを狙う。そして“新星”では、ドラフト1位入団から高卒3年目を迎える小笠原慎之介中日)が面白い。今季オープン戦で4試合に先発して2勝0敗、防御率1.35と好投し、20歳173日の球団最年少での開幕投手が内定し、その広島と対峙する開幕戦で勝利すれば一気に波に乗る可能性がある。

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パ・リーグは菊池雄星に三冠の可能性