阪神でプレー後にメジャーでも活躍したセシル・フィルダー(写真・Getty images)
阪神でプレー後にメジャーでも活躍したセシル・フィルダー(写真・Getty images)

 日本のプロ野球では親子で大成した例がほとんどない、というのは詳しいファンの間ではよく知られた話だ。特に父親を超える活躍をした息子、あるいは揃って名選手の域に達した親子となると、いっそう希少性が増してくる。

 だが、メジャーリーグではそうではない。ボビーとバリーのボンズ親子、ケン・グリフィー親子、カル・リプケン親子などは日本でも有名だが、それ以外にも親子でメジャーリーガーとして活躍した例は数多くある。

 それどころか、祖父からの親子三代でメジャーリーガーとなった一家もいくつか存在する。今季からヤンキースの指揮を執ることになったアーロン・ブーン監督は現役時代、オールスター出場歴もある通算126本塁打を放った内野手だった。父のボブはオールスター選出4回、ゴールドグラブ賞7回の名捕手で、祖父レイはオールスター2回選出の強打の内野手だった。

 さらに、兄のブレットもマリナーズでイチローとともにプレーし、打点王1回、ゴールドグラブ賞4回などを誇る名二塁手だったように、ブーン家はアメリカでも屈指の野球一族として知られている。さらにブレットの息子のジェイクも昨年のドラフトでナショナルズに指名された。38巡というかなりの下位指名だけに厳しいだろうが、もし彼がメジャーデビューを果たせば、史上初の4世代メジャーリーガーとなる。

 日本にゆかりのあるメジャーリーガー親子もいる。1989年に阪神で38本塁打を放ち、メジャー復帰後にはタイガースで2年連続の本塁打王、3年連続の打点王などの活躍をしたセシル・フィルダーは、ブリュワーズなどでプレーした息子のプリンスもスラッガーとして大活躍。2007年に50本塁打を放ってタイトルを獲得した。プリンスはオールスターに6回選出され、32歳で通算319本塁打を放ったが、首の故障が原因で残念ながら若くして引退してしまった。

 1976年から巨人で3年間プレーし、気性の荒さから「クレージー・ライト」の異名で呼ばれた左腕クライド・ライトは、メジャーではオールスター選出歴のある通算100勝投手。息子のジャレッドは父ほどのスケール感はなかったがインディアンスなどで通算68勝を挙げ、ワールドシリーズでも好投した。

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昨季新人王の父親も元メジャーリーガー