かまいたち (c)朝日新聞社
かまいたち (c)朝日新聞社

 お笑いコンビの千鳥やブラックマヨネーズなど、関西でブレイクした後に東京に進出し、さらなる躍進を目指す芸人たちは多い。今春も多くの“若手”芸人たちが東京への進出を果たすようだ。例えば、2017年のキングオブコントで優勝したお笑いコンビ・かまいたちは、4月をメドに関西から東京に拠点を移すことが報じられた。

「3月4日には、地元・なんばグランド花月(NGK)で単独ライブを開催して、来場したファンにむけて東京進出を報告していました。キングオブコントでは緊張と緩和の『間』をうまく使った圧倒的なネタで優勝しましたが、ダークホース・にゃんこスターの『ゆるふわなネタ』がまた話題を呼び、少しミソがついてしまった。それでも、それ以降のテレビ出演では、常にそれをネタにしてまた笑いを取っていますよね。“フリ”があるから使いやすいんだと思います。トークも安定していて上手いですし、これからが楽しみです」(民放バラエティー制作スタッフ)

 関西の芸人は「2度売れなくてはならない」と言われている。まずは、関西で売れてから東京へ進出し、東京でもう一度、売れないといけないということだ。そんな彼らの架け橋となっているのが「M-1グランプリ」をはじめとした賞レースでもある。

「例えばダウンタウンは、関西で爆発的に売れて、いよいよという時に関西のすべてのレギュラーをやめて東京へ進出した。その際にはスタッフも帯同し、のちに制作会社を立ち上げた人もいます。これが吉本の“慣例“になって、最近でも東京で活躍する関西出身芸人はみな地元のローカル番組のレギュラーを卒業してから、裸一貫で上京してくるようになったのです」(放送作家)

 一方で、関西で売れている芸人ほど上京すると売れなくなるという“ジンクス”もある。上京後、さほど活躍できず、関西へ戻っていく芸人もある。

「松竹所属のTKOなどは4度目の東京進出でやっとブレイクことは有名な話です。最近の例だと、笑い飯が拠点を関西に戻していますね。もちろん東京でも知名度があるので、将来的に再上京する可能性もあります」(同)

 笑い飯ほど漫才の実力があっても、東京のテレビで売れるかどうかはわからないところがあるのだという。

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