お金持ちになるっていいことですか? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』のキャラクター・コビンが、お金持ちについて、明治学院大学大学院教授の菅正広さんに聞いてみた。

■人と比べないことが大事

コビン:お金持ちになるっていいこと? 悪いこと?

菅正広(以下、菅):もちろんいいことだよ。お金があれば夢をかなえやすくなるし、より自由になれるからね。

コビン:うん。もしもお金持ちになったら……って考えるのは楽しいよね。

菅:そうだね。でもお金があれば幸せになれるとも限らないよ。

コビン:そういえば、オヤビンは「お金はないけど幸せ」ってよく言っているよ。

菅:幸せの基準は人それぞれだから、人と比べないことが大事だね。ところで、コビンはこんなデータを知っているかな? ある一定の収入を超えると、そこから先は得られる幸福の量は変わらない。つまり、お金があればあるほど幸せになれるというのは幻想なんだ。

コビン:へぇ~、それはびっくり!

菅:だから、もしコビンが大人になって、貧しさを感じることなく、十分気持ちよく暮らせる収入を得られたら、それ以上のお金は自分以外の人のためにも使ってほしいな。

■余ったお金は他者のために使おう

コビン:それってお金を寄付するということ?

菅:それも一つの方法だね。ほかにも、グラミン銀行のムハマド・ユヌスさん(P20も見てね)のように、自分の専門知識を生かして貧困を解決するためのしくみを考え、実践するという方法もあるよ。そういうビジネスは「ソーシャルビジネス」といわれているんだ。

コビン:ビジネスに成功して、困っている人も救えるなんてすごくいいね。

菅:人は自分の利益を追求するだけじゃなく、人のために何かをすることでも、幸せを感じることができるよ。

コビン:たくさんの人に「ありがとう」って言ってもらえたらうれしいよね。

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AERA dot.編集部
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