―――イラストを仕事にしようと思ったきっかけはなんですか?

 もともとブログやFacebookに自分の心のはけ口として、子どもの近況などを書いていたんです。それが思いのほか反応がよくて。少しずつですが、自分がアウトプットしたものに対する自信も出てきました。夫にも「こういうのを仕事にすれば?」と言われることもあったのですが、イラストレーターやライターの経験もなく、何よりも収入面でのメドが立たない。「じゃあ、やろう」とは思えなかった。

 でもそんなとき夫が「幸せなんて電卓たたいても計算できないよ」って。この言葉にはすごく救われました。自分が本当にやりたいことをやって楽しい気持ちになれるなら抱えてきたストレスの分収入が減ると思えばいいじゃない!とやっと決心することができました。

―――仕事を辞めるきっかけは、実はほかにもあったそうですね

 復帰して2年目の夏あたり、それこそ時間的にも精神的にもギリギリの状態で働いていたころ、長男にチック症状が出てしまったんです。チックは子どもにストレスや不安感が加わると起こりやすいといわれる症状で、自分でうまくストレスをコントロールしたり言葉で訴えたりすることができない幼年期になりやすいそうです。週に1度は早めにお迎えに行ったり、週末は家事より子どもとの時間を優先したりすることで、幸い1カ月ほどで症状は収まりました。でも今度は自分の体調や仕事に不具合が出てしまって。決定的だったのはその年の冬、長男のインフルエンザで5日間休み、さらに私にうつってもう1週間休んで。なんとなくもうここまでかな、と。

―――退職してイラストレーターとして再スタートしたtomekkoさんですが、その後あっという間にフォロワーが増えました

 ちょうどインスタが、子育てママ達にも受け入れられてきた時期と重なったと思うんです。長男の「あるある」ネタをアップするとフォロワーがまたたく間に増えて、拡散されていきました。あとは毎日、同じ時間にアップし始めたことも大きかったと思います。「ちょうどお弁当を作り終わったときにみたら面白かった」などコメントをいただいて。ママたちがちょっと一息つく時間に見てもらえたのかもしれませんね。

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