安倍晋三首相・昭恵夫妻 (c)朝日新聞社
安倍晋三首相・昭恵夫妻 (c)朝日新聞社
麻生財務相 (c)朝日新聞社
麻生財務相 (c)朝日新聞社

「やかましいなあ」

【写真】安倍夫妻の森友疑惑に巻き込まれた麻生財務相

 麻生太郎副総理兼財務相がいら立ちをあらわにしている。16日の参院予算委員会で答弁中、浴びたやじに対し、ドスのきいた声で言い返す場面もあった。

「安倍政権は今年度の予算が成立した段階で、財務相を交代させる算段で動いているが、肝心の麻生さんは『(森友疑惑は)俺は関係ねえ』と周囲にぶちまけ、『なんで、安倍晋三、昭恵夫妻のせいで俺が責められ、辞めなくちゃいけないのか』とはらわた煮えくりかえるほど怒っているようです。安倍首相も処遇に困っているようです」(官邸関係者)

 すでに「ポスト麻生」選びは水面下で始まっており、茂木敏充・経済再生担当相、岸田文雄・政調会長、鈴木俊一・五輪担当相らの名前があがっているという。

「茂木さんは猟官運動しているんだけど、財務官僚に『茂木さんは勘弁』と嫌われており、難しい。党の三役になった岸田さんは官邸からの財務相打診を固辞している。自爆したくないからですが、去年から小役人と評価下がりぱなし。消去法でいくと、鈴木さんしかいない。麻生さんが自分の派閥だから鈴木さんを猛プッシュしています」(自民党幹部)

 ただ、麻生財務相は答弁でも再三、「現時点で(辞任は)考えておりません」と言っているように、すんなり辞める気はなさそうだという。

「麻生さん自身は『俺がいなくなったら、安倍政権は倒れる』と周囲に話している。安倍さんに高く自分を売る考えで、安倍官邸が決めている消費増税の延期の撤回など注文をいろいろとつけているそうです。 今まで菅(義偉)官房長官に潰された案件はかなりあるので、リベンジです」(同前)

 一方、安倍官邸の挽回の手はいつものお得意外交しかない。

「日米、日中韓、日露がセットされているので、米朝の行方睨みつつ、14年ぶりの日朝首脳会談を何とか実現させて、政権浮揚させたい方針です。 でも、状況が見通せないので難しいだろう。安倍さんが延命するには麻生さんなしでは成り立たなくなるので、言いなりになるしかない。だけど、そうなれば、政権が終わるでしょうね」(前出の官邸関係者)

 安倍政権の一寸先は闇のようだ。(村上新太郎)