東京・お台場にあるフジテレビ社屋(c)朝日新聞社
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坂上忍(c)朝日新聞社
坂上忍(c)朝日新聞社

 例年この時期のテレビ業界は番組の改編シーズンとあって何かと慌ただしい。

【新番組「直撃!シンソウ坂上」がスタートする坂上忍】

 番組の打ち切り、そして4月からスタートする新番組の準備に追われて、普段から情報提供を受けているテレビマンの“ネタ元”も、大方付き合いが悪くなる。

 もっとも、本業に精を出してくれることで面白い旬なネタが当方にも入ってくるわけで、情報提供者の仕事の充実は、歓迎してしかるべきことなわけだが。

 今年4月の各テレビ局の改編については、4年連続で年間視聴率三冠に輝くなど、近年は視聴率好調の日本テレビはゴールデン、プライム帯ともドラマ枠などを除くとほぼ無改編となった。

 他方、近年は視聴率で苦戦を強いられているフジテレビは、宮内正喜社長体制のもと21年続いた「とんねるずのみなさんのおかげでした」、22年続いた「めちゃ×2イケてる」などの看板バラエティ番組が3月いっぱいで軒並み終了。

「みなおか」の後番組として坂上忍の同局系ゴールデン初のMC番組「直撃!シンソウ坂上」が、「めちゃイケ」の後番組として体験型バラエティー番組「世界!極タウンに住んでみる」がスタートするなど、次々と新番組が発表された。

「変わる、フジ 変える、テレビ」をスローガンに掲げる今回の改編について、同局の立本洋之編成部長は今月5日に行われた番組改編発表会見で、「フジは変わらなければ、変えなければ生き残れないという決意表明をこの場でさせて頂きます」。

 そのうえで、「4月改編は歴史的バラエティーが終了するという、色々な意味で大きな改編になりました。全社、不退転の決意で今回の改編に臨んでいます。簡単に好転しないとは思いますが、良くなるキッカケ作りとして、1%どころか0.1%でも視聴率を上げていきたいと思います」、「今、フジは完全に非常事態です。今の非常時に置いて何をするかということです」と決意をにじませた。

 同局に関しては50歳以上の社員を対象に、3月末を期限として通常の退職金に最高7000万円を上乗せする形で早期退職者を募集しているという話も一部で伝えられている。

 同局の正社員の厚遇ぶりは過去に何度となくマスコミで報じられており、今回の早期退職者に上乗せされると言われる最高7000万円という数字に関しても隔世の観はあるが、意識改革の姿勢だけは感じ取れる。

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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