インスタグラムの月間アクティブユーザー数は2017年、日本で2000万人を突破し、ユーキャン新語・流行語大賞にもなった「インスタ映え」。だが、若者の間ではもう「古く」なったと言わざるをえないようだ。インスタグラムに写真を載せるために、旅の行き先を決める。そんなライフスタイルにどうやら疲れてしまったというのだ。
その反響で現在、若者が熱狂しているのが、インスタグラムの「ストーリーズ(通称ストーリー)」だ。
ストーリーズは、投稿した写真や動画が24時間以内で消える機能で、インスタグラムの最高製品責任者、ケビン・ウェイルは「タイムラインが最高の瞬間を捉えるもの、ストーリーズは合間の日々の瞬間を捉えるもの」と説明する。
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーで、『平成トレンド史 これから日本人は何を買うのか?』(角川新書)の著者である原田曜平氏は、ストーリーズが流行した背景についてこう話す。
「消える機能のブームをもたらしたのは、写真共有アプリのSnapchat(通称スナチャ)でした。2012年にアメリカの若者の間で爆発的に広がり、2017年3月、運営会社であるSnapはニューヨーク証券取引所に上場を果たしました。そうした流れの中で、2016年11月にインスタグラムが似た機能を実装し、日本では、ちょうど良いタイミングだったこともあり、インスタグラムのストーリーズが広く使われています」。
都内の女子学生(21)は一時期Snapchatを使っていたものの、今はインスタグラムの「ストーリー」を使っていると話す。
「昔はスナチャを使っていましたが、携帯からアプリを削除しました。機能の幅が狭かったので飽きた。あとは、周りの皆がインスタのストーリーを使っていたからというのもあります。やっぱり皆に見てもらいたいですから」
ストーリーズには、通常の動画投稿に加え、ライブ放送や逆再生動画(巻き戻し)、テキストのみだけの投稿など機能が充実している。
こうしたサービスは、アクティブユーザー数がものをいう。男子大学生(21)はこんな使い方をしている。
「ストーリーは気軽だから皆、投稿頻度が高い。ひまだと思ったときに、ストーリーを見て、今飲み会をしている友達を探す。そこにコメントして、すぐに合流する。インスタは仲の良い友達しかフォローしていないから、タイムラインが洗練されていてコメントするのも楽。Facebookにも同じ機能があるけど、全く使わない。あまり仲良くない人や仕事関係の人もいるので」
フォトジェニック疲れを訴える人もいる。