「今の仕事でも優秀な人と出会いますが、ぼくの同級生も本当にすごかった。何げない話をしていても、事象の切り取り方や論理の組み立てがとんでもなく優れている。でも偉ぶらず、心根はピュア。そんなやつがたくさんいました」

 大学卒業後、銀行勤務やMBA留学を経てテクノロジー・ベンチャーの世界に飛び込んだ。冒頭の買収劇はそれからわずか2年後の出来事だ。現在は拠点を米国に移し、15年にベンチャー企業「FRACTA(フラクタ)」を設立。水道管や線路などの劣化状態やメンテナンス時期をAI(人工知能)で解析する新事業に挑む。

「テクノロジー・ベンチャーには世の中を変える力がある。ぼくの姿を見た学生に『この人にできるなら、自分にもできる』と思ってほしいです」

(木下昌子)