珍名踏切マニアがいく! 踏切の多い飯田線でひときわ目を引く「洗濯場踏切」とは? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

珍名踏切マニアがいく! 踏切の多い飯田線でひときわ目を引く「洗濯場踏切」とは?

連載「珍名踏切が好き!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
今尾恵介dot.#今尾恵介#鉄道
JR飯田線の小坂井駅(愛知県豊川市)は起点の豊橋から3つ目、7分ほどで着く

JR飯田線の小坂井駅(愛知県豊川市)は起点の豊橋から3つ目、7分ほどで着く

第二坂地踏切の向こうに見えるのは醤油工場のタンク

第二坂地踏切の向こうに見えるのは醤油工場のタンク

青空の下の看板がまばゆい洗濯場踏切

青空の下の看板がまばゆい洗濯場踏切

今回紹介した踏切周辺の地図

今回紹介した踏切周辺の地図

 踏切の名称に惹かれて何十年の、いわば「踏切名称マニア」である今尾恵介さんが、全国の珍名踏切を案内してくれる連載。今回は「洗濯場踏切」を紹介します。

【第一坂地踏切に火の見踏切、洗濯場の遺構も!】

*  *  *
 JR飯田線は愛知県の豊橋を起点に静岡県浜松市天竜区の水窪を通り、南信の中心都市・飯田市を経て中央本線の辰野駅(長野県辰野町)に至る195.7キロのローカル線だ。元は私鉄だったことから駅間の距離は短く、全線に94もの駅が存在する。険しい山の中や天竜川の峡谷をたどるため、138というトンネルの多さは他線の追随を許さない。

 踏切の数もだいぶ多いらしく、たとえば豊橋から3つ目の小坂井駅から次の牛久保駅までは2.2キロの間に15もの踏切がひしめき、しかも自動車が通れない狭いものも目立つ。古くからの集落を貫いている証拠だが、そんな踏切群の中でもひときわ目を引くのが洗濯場踏切である。

 厳冬の今年は、比較的温かい印象の三河国も例外ではなかった。訪れた2月6日は未明に雪が降ったようで、朝9時過ぎに小坂井駅で電車を降りた頃には、畑や自動車の屋根などがうっすら白くなっていた。モダンな小駅舎に建て替えられているが、この駅の開業は明治31(1898)年と古い。豊川稲荷への参拝客を運ぶ豊川鉄道が開通した翌年に設置されて以来である。

 駅から2つ目の小坂井踏切は五十三次以来の旧東海道が通っているが、さすがに風格が感じられた。少し西ヘ進んだ秋葉神社の松の木などいかにも街道筋らしい枝ぶりである。そのすぐ東側で国道1号が下をくぐると第二樫王、第一坂地、第二坂地と字名に由来する踏切が続く。

 踏切を1本ずつ渡りつつジグザグに歩くのは思えば変な趣味かもしれないが仕方ない。次の「火の見踏切」は実にダイレクトで、目の前の線路脇には本当に火の見櫓(やぐら)が建っていた。思えば踏切の命名は、熟慮が重ねられた駅名とは違って誰も注目しないためか、即物的、悪く言えばいい加減であるが、わかりやすいのも身上である。櫓のある建物には「豊川市篠束(しのづか)自警団」とあった。建物は消防団の倉庫だろうか。


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい