■柏レイソル B

「柏から世界へ」を伝統的に掲げるクラブらしく、ACLとの”二足の草鞋”を履ける充実の戦力となった。左サイドバックの主力だった輪湖直樹がJ2福岡に移籍、MF小林祐介も湘南に期限付きで出されたことで”下部組織率”は下がったが、機動力の高いMF小泉慶(←新潟)や快足ドリブラーの山崎亮平(←新潟)、シュートセンスに優れる江坂任(←大宮)など、外から刺激的な血が注入されている。その中でも江坂は勝敗に直結するチャンスメークとフィニッシュを期待できる。戦術的な適応力は開幕前から評価が高い様子だ。守護神の中村航輔とセンターバック中山雄太、中谷進之介の若きトリオは引き続き守備の要だが、188cmのパク・ジョンス(←横浜FM)はACL仕様で”パワープレー対策”など大きな力になりうる。また、タイトなマークと推進力が強みの亀川諒史(←福岡)は左右サイドバックで主力を狙える。

■FC東京 D

 前線の大型補強が話題になった昨季ほどのインパクトはないが、ガンバ大阪時代から長谷川健太新監督のサッカーを知る大森晃太郎(←神戸)の加入は効果的で、組織的な守備から入って効率良く鋭いフィニッシュにつなげるサッカーを引っ張る存在になりそう。前線の新戦力であるディエゴ・オリベイラ(←柏)と富樫敬真(←横浜FM)はともに好調時のゴールのインパクトは大きいものの、確実に二桁得点を期待できる戦力ではなく、ベテランの前田遼一、16歳の久保建英も含めたポジション争いの中で主力を見極めていく前半戦になるだろう。トップ昇格の長身FW原大智はスケール感があり、当面はU-23が主戦場になると予想されるが、長谷川監督の評価を得れば一気のブレイクも。(文・河治良幸)

※(←クラブ名)は前所属を示す