古巣・鹿島に復帰した内田篤人(写真・Getty images)
古巣・鹿島に復帰した内田篤人(写真・Getty images)

 いよいよ今年もJリーグのシーズンが到来。J1は2月23日からスタートし、各々の目標に向かってひた走る長丁場の戦いが続く。昨シーズンは川崎が最終節で逆転優勝し、クラブ創設21年目にして悲願の初タイトルを獲得する劇的な幕切れとなったが、それももう終わった話だ。連覇を狙う川崎を始め、各クラブとも希望に満ちた1年にするため、新シーズンに向けて着々と準備を進めてきた。そこで今回はJ1全クラブのオフシーズンの選手補強を査定(良い方からA・B・C・Dの四段階)し、3日間にわけて紹介する。

北海道コンサドーレ札幌 C

 移籍の人数は多くないものの、レンタルの三好康児(←川崎)を含め、適材適所の補強を成功させており、ミハイロ・ペトロビッチ新監督が3-4-2-1を押し進めるパーツはまずまず揃っている。ただ、流れるようなパスサッカーのオートマティズムを植え付けるのは簡単ではない。ミシャ(ペトロビッチ監督の愛称)の薫陶を受けた駒井善成(←浦和)も全体をオーガナイズするほど戦術を消化しているわけではなく、シャドー候補の宮吉拓実(←広島)、右サイドハーフの白井康介(←愛媛)といった期待の新戦力はもちろん、既存戦力も試行錯誤の中で徐々に戦い方を学んでいくはず。種まきのシーズンと考えれば残留が目標ラインになるが、ただの残留ではなく来季への手応えある残留を果たしたい。ベテランGK菅野孝憲(←京都)はク・ソンユンの控えと見込まれるが、高い競争で刺激を与えながら、有事の不安も取り去る的確な補強だ。

■ベガルタ仙台 B

 派手さはないが、かゆい所に手が届くような要所の補強に成功し、渡邉晋監督の掲げる3-4-2-1の完成度をさらに高めるメンバー構成となった。シャドーに運動量と突進力のある阿部拓馬(←蔚山現代/韓国)、ボランチにバランス感覚の高い庄司悦大(←岐阜)、3バックのストッパーに対人能力の高い金正也(←G大阪)と3人のレギュラー候補を迎え入れ、さらに中盤にはDF出身で高さのある21歳の板倉滉(←川崎)をJ1王者からのレンタルで加えた。大卒ルーキーながらプレシーズンで猛アピール中のFWジャーメイン良(←流通経済大)は1トップとシャドーの両方で起用できるため、マルチなジョーカーとして開幕時から出場チャンスがありそうだ。

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鹿島、浦和の評価は?