江戸幕府を倒して、新しい時代をつくった一連の革命を明治維新という。明治政府誕生から150年。武家社会から近代社会に日本はどう生まれわかったのだろうか。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』に掲載された、多摩大学客員教授で、早稲田大学非常勤講師の河合敦さん監修の解説を紹介しよう。

■岩倉使節団の欧米見聞録

 明治維新を迎えたばかりの日本は欧米に比べ大きく後れを取っていた。新政府のもと、新しい国のかたちを探し求めて、欧米に視察の旅に出た一行が見たものとは――。

(1)旅の目的

 1871(明治4)年、岩倉具視をリーダーに、木戸孝允や大久保利通ら明治政府の中心人物を含む一団が欧米に派遣された(岩倉使節団)。欧米列強との不平等条約(※)の改正と、現地の近代的な議会や工場、学校などを視察、新しい日本をつくるために何が必要なのかを学ぶのが目的だ。一行は1年10カ月に及ぶ長旅で、欧米諸国12カ国の近代化の実態を肌で感じた。

(2)旅した国々

スタート/横浜 1871年11月12日出発 → サンフランシスコ 12月6日 → 大陸横断鉄道 → シカゴ 1872年1月18日 → ワシントン 1月21日 → ボストン → リバプール 7月14日 → パリ → ベルリン → サンクトペテルブルク 3月30日 → セイロン → シンガポール → サイゴン → 厦門 → 上海 → ゴール/横浜 1873年9月13日着

(3)旅日記

◎1872年12月/アメリカ・サンフランシスコ
ホテルに着くなり、小さな部屋に入れられ、あっという間に「ドキン」と動き、つり上げられた。

<ちびメモ>
ホテルのエレベーターや部屋の中の設備一つひとつ、すべてにびっくり。男性が女性を優先するマナーであるレディーファーストも日本ではありえないことだったので驚いた。

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AERA dot.編集部
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