都道府県別の平均寿命 厚生労働省「平成27年都道府県別生命表」から
都道府県別の平均寿命 厚生労働省「平成27年都道府県別生命表」から

 5年に1度、国勢調査などを基につくられる厚生労働省「都道府県別生命表」。これによると、2015 年都道府県別の平均寿命(17年12月発表)は、女性2位が岡山県(87.67歳)、3位が島根県(87.64歳)だった。AERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』では、この生命表から中国地方に注目。岡山、広島、島根の医学部に訪れ、最前線医療の取り組みを取材した。ここでは岡山大学を紹介する。

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 都道府県別の平均寿命の「女性」の順位に注目してほしい。岡山県が2位、島根県が3位、広島県が10位、鳥取県が14位と、上位15都道府県のうち、中国地方から4県もランクインしている。しかも岡山県は、1位の長野県とほぼ同率。3位の島根県も0.03歳差の僅差だ。この4県は女性の全国平均を上回っている。

 一方の男性は、9位の広島県、13位の岡山県、23位の島根県が男性の全国平均を上回っている。また、30位の山口県も、5年前と比較して1.48歳も延びている(延び率全国2位)。

 トップとワーストの1位ばかりが注目されがちな平均寿命。だが、実は、この中国地方が長寿地域であることもわかる。加えて、中国地方5県の人口10万人あたりの医師数をみると、5県とも全国平均の240.1人を上回っている。

 特に岡山県は300.3人と多く、全国5位だ。

「中国地方の医師数が多いのは、地元での育成数が多いからです。5県すべてに国立大学、岡山県にはさらに私立の川崎医科大学もあり、中国地方は人口125万人に一つの医学部がある計算になります。卒業生の地元定着を促進するための地域枠も充実しています」

 医療ガバナンス研究所理事長で、『日本の医療格差は9倍』などの著書がある上昌広医師は、そう指摘する。

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