このマスコット人形の売れ行きでもわかる通り、“平昌グッズ”の売れ行きはそこそこ堅調だ。大手デパートなどでは平昌五輪公式グッズの期間限定ポップアップストアを運営しているが、昨年末に発売された平昌五輪の公式商品「平昌ロングダウンコート」は、発売当日にほぼ完売するほどの大人気を博した。

 先日は、平昌五輪を記念して1日1万個限定で発売したマクドナルドの「平昌韓牛シグネチャーバーガー」があっという間に全店舗で売り切れ。この“意外と盛り上がっている”かのような現象に対し、『韓国スポーツ経済』をはじめ多数の韓国メディアは「ただの遊び感覚にすぎない。この雰囲気がそのまま平昌五輪の興行へ繋がる可能性は…」と分析する。ソン記者も語る。

「例えばオリンピック関連コンサートやテレビ各局が用意周到に準備している平昌五輪特番も多数予定されているのですが、それらはまったく話題にはなりません。逆に言えば、今、話題になるのは聖火リレーとマスコット、関連グッズくらい。肝心の競技観戦については、あまり話題になっていないのです」

 それはチケットの販売率を見ても一目瞭然だ。1月26日に発表されたチケットの売り上げ率は72%。以前に比べるとだいぶ引き上がってはいるが、ソン記者はとある問題について懸念を示した。

「売られたチケットの中には、平昌五輪組織委員会の要請によって地方自治体や企業などが大量に購入した分も含まれています。企業が1000枚を購入したとすれば、はたしてそれが1000人の観客となるでしょうか。チケットは完売しても、観客はガラガラな試合があるかもしれません」

 さまざまな不安要素を抱えたまま開幕を迎えようとする平昌五輪。せっかくのオリンピックを台無しにすることだけは避けたいものだ。(文・李ハナ)