「女子率高め」医学部の女子占有率(2017年度入試)※メディカルラボの調査を基に編集部で作成。主に「入学者」に占める割合だが、大学によっては「正規合格者」や「総合格者」が基準となる場合もある。なお、秋田大、筑波大、東京大、信州大、岐阜大、神戸大、高知大、帝京大は非公表。東京女子医科大学は除いた
「女子率高め」医学部の女子占有率(2017年度入試)
※メディカルラボの調査を基に編集部で作成。主に「入学者」に占める割合だが、大学によっては「正規合格者」や「総合格者」が基準となる場合もある。なお、秋田大、筑波大、東京大、信州大、岐阜大、神戸大、高知大、帝京大は非公表。東京女子医科大学は除いた

 医学部受験が佳境を迎えている。各大学の特徴を知るためには、全体を俯瞰して比べるのも有効だ。発売中のAERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』では、学費や医師数、医師国家試験合格率、過去20年間の難易度の変移など、医学部の「数字」を徹底調査。ここでは、医学部受験予備校メディカルラボの調査を基に、2017年度入試における医学部の女子占有率を紹介する。

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 1980年代には医学部を志望する女子の割合は20%以下だったが、現在は約40%まで上昇している。

 その理由について、医学部予備校インディペンデントの河本敏浩代表は、

「80年代以降に小規模クリニックを設立した医師たちの子どもが、現在受験生になっています。80年代と比べると女性の社会進出が進んでおり、地方の成績優秀な女子は、『東大よりも地元の医学部』を目指す傾向が強くなりました」

 加えて、贈与税の法改正が後押ししているという。

「2013年の法改正により、祖父母からの1500万円までの教育費にかかわる生前贈与が、非課税となりました。このため、私大医学部へも進学しやすくなったのです」(河本代表) 

 女子率が高い国公立大には共通点がある。一般に、女子は男子よりも浪人を敬遠するため、堅実な受験をする傾向が強い。ベストテンに入った大学は、すべて偏差値が62前後で、比較的入りやすい。

 また、女子は男子よりも国語が得意な生徒が多いため、センター試験の国語の配点比率が高い愛媛大、島根大、滋賀医科大などの女子率が高い。

(文/庄村敦子)

※『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』から抜粋