※写真はイメージです
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 2018年も早1ヵ月が過ぎようとしているが、芸能界、メディア業界ともあいかわらず光明が見いだせないというのが率直な印象だ。

 “表”のニュースでいえば、大晦日に日本テレビ系で放送された「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」のスペシャル番組における“黒塗りメイク騒動”や「週刊文春」が報じた小室哲哉の不倫疑惑など、年明けからネガティブな話題が目立つが、近年続いている業界の地盤沈下も深刻だ。

 新年会で芸能プロダクションのマネジャーと話せば、「○○(※テレビ番組名)のギャラがまた下がりそう」、レコード会社のスタッフは「新曲がまったく売れない」など愚痴のオンパレード。

 某スポーツ紙に至ってはここ5年間で売上部数が半分近くになったといい、別の出版社では冬のボーナスが激減したという。

 そんな暗い話題であふれる芸能界、メディア業界において個人的に関心を惹かれたのが、「インスタグラム」を活用したビジネスの話題だ。

 別の芸能プロのスタッフいわく、看板女性タレントの1人に「インスタグラム」を率先してやらせた結果、年間で億単位の売上を記録したとか。

 その女性タレントは、一時期はテレビ番組などにもそれなりに出演していたし、知名度もそれなりにあるが、キー局で自身の冠番組を持つほどの売れっ子でもなく、最近はあまりテレビにも露出していない。

 アイドルやミュージシャンのように“実際にお金を落としてくれる”コアなファンを多数抱えているイメージもなく、彼女がインスタグラムだけでそれだけの売上を記録しているというのは正直意外だった。

 そのからくりを端的に言えば、インスタグラムを使ったステマ(=ステルスマーケティング)ビシネスで、彼女が更新するインスタグラムの画像をよくよくチェックしてみると、やたらと商品が映っているのが確認できる。

 あからさまに商品をPRするコメントをしていることもあれば、それとなく良い感じに背景などに商品が映り込んでいるケースもあり、彼女の人気やイメージだけでなく、このあたりのさじ加減も絶妙なのだろう。

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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