更に1月中旬の、デトロイト・モーターショーでは、「auto MOBILI(D)、オート・モビリディ」(モビリティとデジタルのDを掛け合わせたネーミング)という別タイトルで、自動運転に関する大規模な展示とシンポジウムが行われていた。

 同様のイベントは今年2018年の上半期には、世界各国で様々な形で開催されてゆく。例えば、2月26日からはシリコンバレーで「AV18」という大規模なコンベンションが行われる。サブタイトルは「モビリティの未来を研ぎ澄ませ」というもので、GM、フォード、トヨタ、フィアット、ヒュンダイといった自動車メーカーと、ウーバー、リフトといったAV先行企業が参加して、自動運転に関する克服すべき課題が様々な角度から話し合われる予定だ。

 CESでは百度や Nvidia などのプレーヤーが注目されたが、このAV18では、他のプレーヤーたちも猛烈なアピールを繰り広げることが予想される。その中で、業界のトップランナーであるウーバーで「自動運転」と「空飛ぶタクシー」の開発責任者を務めるジャスティン・エーリック氏の基調講演(2月27日)に注目が集まっている。エーリック氏の講演は、

「個別の操縦テクノロジーを統合してゆく際の課題」
「カー・シェアリング普及による業界へのインパクト」
「自動運転時代における業界再編と利益配分のモデル」

といった内容となる模様だ。同じような大規模イベントは、4月19日からは上海で、6月5日からはドイツで、順に行われて行く。

 その一方で、今月末の1月30日からシンガポールで行われる“Autonomous Vehicles ASIA 2018(アジア自動運転車シンポジウム)”というのは、同様のコンベンションではあるが、やや異色の内容となっている。

 世界のIT企業と、自動車関連産業からの参加があるのは他のイベントと共通している。ウーバーからは法務部門の責任者が来て、自動運転に関する「安全基準の世界標準をめざして」という内容での講演があるし、自動車産業ということではインドのタタ・モーター、ボルボ、スカニアなどが幹部を派遣してくる。

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