塾や習い事、食費にレジャーとだんだん家計がゆるみがちになるのが小学生のいる家庭です。このままでは将来が不安! 『AERA with Kids2017冬号』(朝日新聞出版)では、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんに、わが家の家計をしっかりと確立させる心得を聞きました。

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 家計管理は毎月のルーティンとして「これがうちのあたり前」になってしまうと、なかなか見直さないものです。でも、「あたり前」と思っていた常識や習慣が、将来の家計に大きな打撃を与えることもあるのです。

 リスクをはらんでいるのに、気づかずに習慣化されがちな家計のワナ。中でも多く見られるのが次の3つ。思い当たることはありませんか?

(1)夫婦で家計を分けている
 家計はそれぞれが担当の費目を出し合う「別財布」。共働きの夫婦に多く見られるパターンです。お互いの収入もまったく知らないというケースも多く、「相手が貯金しているだろう」と相手をあてにして、自分の収入は使い放題なんてことも。これでは、どんなに高収入でもお金はたまりません。
「お互いの収入は『ひとつの財布にいれる』と考えましょう。そこから生活費やおこづかい、貯蓄と分けることで、わが家の家計が明確になり、家計管理の意識も高まります。収入や貯蓄はオープンに!」

(2)子どもの塾や習い事の費用はできるだけ出す
 最近は、教育費の増大で家計が破たんするケースも少なくないそう。でも、塾や習い事の費用は多少予算をオーバーしても「この子のため」と目をつぶりがちです。そうこうしているうちに、塾や習い事の費用だけでかなりの金額に……。
 習い事や塾の費用は、まず予算をきちんと決めることが大切。通う期間を決めたり目標を設定したりと整理のタイミングを設け、子どもと定期的に話し合ってスリム化を図ることも大切です。
「まずは、家計に占める教育費の上限を決めましょう。わが子にどうなってほしいのか、そのためにはどんな教育が必要か。『今が大切』なのはわかりますが、それは子どもが大きくなっても変わりません。中高大学と、教育費はどんどん上がっていきます。そう考えると、子どもが小学生の今が貯めどきなんですね」

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AERA dot.編集部
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