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 「よっしゃあ!」と期待のボルテージが最高潮に達した直後、まさかのどんでん返しでゲームセット……。8月1日の広島戦(マツダスタジアム)は、阪神ファンにとってため息の出るような結末となった。

 前半の4点ビハインドを1点差まで追い上げた阪神は、9回1死から西岡剛が左前安打。ここは一打同点狙いで走者を二塁に進めたいところだ。次打者・上本博紀はファウルで粘り、カウント1-2からの6球目、西岡がスタートを切った。

 だが、上本は今村猛の外角低め、ワンバウンドのフォークを空振り三振。直後、捕手・会沢翼の送球は一塁側に大きくそれ、西岡はセーフになった。通常なら、2死二塁で、3番・福留孝介を迎えるというこの日最大の見せ場になるはずだった。

 ところが、「上本に送球を妨害された」と会沢がアピールすると、杉永政信球審は守備妨害を宣告した。空振りの直後、上本は勢い余って一回転して打席をはみ出し、ホームベースをまたいでいた。会沢が二塁に送球しようとしたとき、上本の体と重なる形になり、送球が乱れてしまったというもの。

 この結果、西岡に走塁死が記録され、ダブルプレーで一瞬にしてゲームセットに……。阪神は2014年の日本シリーズ第5戦でも、9回1死満塁のチャンスに一ゴロを打った西岡剛がファウルラインの内側を走ったため、守備妨害を取られ、併殺でゲームセット。ソフトバンクの日本一が決まるという珍事を体験している。

 前回とはシチュエーションが異なるが、結果的に2度ともスリーアウト目が西岡という偶然は、不思議な因縁と言うしかない。

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 8月17日のロッテvs日本ハム(札幌ドーム)は、両チーム合わせて7本塁打が飛び交う大乱戦となったが、幕切れも思わず目が点になるような珍サヨナラゲームだった。

 7対7で迎えた延長11回裏、日本ハムは先頭のドレイクが遊ゴロ。だが、三木亮が一塁に悪送球して無死一塁(代走・岡大海)。中島卓也が送った後、西川遥輝が四球を選び、1死一、二塁のチャンスを迎えた。

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まさかのシーンが…