これが、個人が経済を選択できる世の中である。

「もちろん金額によって差別するわけではないけれども、クラウドファンディングの本質は、一般の人たちでもお金を集めるときに使えることだと僕は信じている」

 しかし、クラウドファンディングには、個人間のお金のやり取りを活発にできる可能性を感じる一方で、ハードルの高さも感じていた。

「みんなが気軽に使えていない。理由の1つは、声をあげると、批判にさらされるから。実際に批判はなかったとしても、さらされるんじゃないかという恐怖心が常にそばにあった」

 2016年2月、家入はCAMPFIREの代表に復帰後、大きく舵を切った。

「ハードルを下げるためにまずは審査基準の見直しや手数料の引き下げを行ったが、大事なのは心のハードルを下げること。皆が抱える『お金が集まらなかったどうしよう』という不安に対し、僕らは失敗として捉えなくていいとメッセージを発信し続けてきた。もしだめなら何回でもチャレンジすればいい。失敗を歓迎するプラットフォームでありたい」

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