家入がクラウドファンディングで「誰しもが声をあげられる世界をつくる」と言い続けてきたのにはワケがある。

「銀行から借りるとか、自分でバイトしてお金を貯めるといった資金調達の選択肢の1つとして、共感をベースとして一般の方々に支援してもらうクラウドファンディングが定着してきた。市場も検索ワードも伸びている。だけど、クラウドファンディングの本来の目的は、小さな火を灯すことだと思う」

 最近は有名な企業や芸能人のプロジェクトが高額を集め、話題になることが多いが、家入はこう言う。

「僕らは5千万円のプロジェクト1件よりも、5万円のプロジェクト100個を大事にしたい。5万円集めてフリーペーパーを作りたいとか10万円を集めて個展がやりたいとか、金額的には大きくなくとも、個人が『こんなことをしたい』と思ったとき、『そうだ、クラウドファンディングを使ってみよう』と思えるものをつくりたかった」

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