在宅療養指導管理料に含まれるのは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などに対する在宅酸素療法や、口から栄養が取れなくなった患者への高カロリー輸液や経管栄養法などです。このうち、経管栄養法のための「経腸栄養輸液セット」など、医療機器そのものに特定保険医療材料料がかかるものがあります。

 そして、がんの末期に、総合的な在宅医療計画を立てたうえで、一定以上の頻度で訪問診療や訪問看護を受けると、ターミナルケアである在宅末期医療総合診療料が加わることがあります。

 以上は在宅医療としての費用であり、実際には多くのケースで介護にかかわる費用も発生します。こうなると費用負担が不安になります。しかし、高額療養費制度により、1カ月当たりの自己負担額には上限が決められており、それ以上は支払わなくてすんだり、払い戻されたりすることになっています。

(取材・文/近藤昭彦)

※高額療養費制度とは?
1カ月に支払う医療費が高額になった場合、自己負担額を、決められた上限額までにとどめるしくみです。70歳以上の多くの人の上限は1万4000円となっています(2017年10月現在)。

監修/太田秀樹医師(全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長、医療法人アスムス理事長)