商工リサーチが明治創業企業を売上高の規模で分類したところ、1000万円以上、1億円未満が最多の32.7%を占め、5億円未満は全体の約7割となった。一方、売上高の上位には順に、日本生命保険、JXTGエネルギー、住友生命保険、三井物産、明治安田生命保険、新日鉄住金などと、日本経済を支えてきた大手企業が名を連ねている。

 明治創業企業を産業別にみると、製造業が全体の25.0%、小売業23.7%、卸売業22.1%を占め、これら3業種で約7割に達した。一方、金融・保険業は明治期に制度が整備されて創業したものが多かったが、バブル崩壊後の金融再編・淘汰を経て、全体の約0.6%の構成比となった。

 明治から現在まで続く老舗企業は戦争の激動期や地震などの自然災害、景気変動の荒波を生き延びてきた。商工リサーチの関氏は、こうした老舗企業が数多くあるのは世界的にみても珍しいと話している。

 ちなみに、商工リサーチの老舗企業調査によると、最古は578年創業で社寺建築の金剛組(大阪府)で、飛鳥時代の四天王寺建立にも立ち会い、2006年には新会社が旧金剛組から事業を承継した。次いで587年の華道「池坊」の一般財団法人池坊華道会(京都府)、705年の旅館ホテル業の西山温泉慶雲館(山梨県)、717年の旅館ホテル業の古まん(兵庫県)、718年の旅館ホテル業の善吾楼(石川県)などとなっている。(浅井秀樹)