「今年は前向きに生活して目標を達成したい!」と思っている方は多いのではないでしょうか? しかし、自分を変えるのはなかなか難しいもの。もし自分も、子どもももっと自己肯定感を高めて、ポジティブな生活を送れる方法があったら……。

『AERA with Kids冬号』(朝日新聞出版)では、そんな願いが叶う、簡単な日記のつけ方を紹介しています。

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 子どものテストが95点だったとき、つい言ってしまう「もうちょっとで100点だったね」という言葉。まったく問題がないようですが、行動科学に詳しい永谷研一さんによると、この言葉には問題があるといいます。

「『もうちょっと』という言葉が示すように、親が注目しているのは『取れなかった5点』にあります。よかった95%は無視して、ダメだった5%に注目しています。いくら頑張ってもダメなところばかり注目され続けると、子ども自身は自分のマイナス面ばかりを気にするようになります」

 これは大人も同じだと永谷さんは言います。例えば夫が「ここ汚いけど毎日ちゃんと掃除してる?」などと妻に言い続けていたら、妻は自己肯定感が下がってしまいます。そうすると、自分だけでなく、子どものダメな部分にも目がいくようになってしまうのです。人はマイナス面ばかりを指摘され続けると、他人に対してもダメな部分に注目してしまうといいます。

「人々の行動と結果を追跡調査していく中でわかったことは、目標を達成する人は『簡単な行動を実践し続ける人』であり、『自己肯定感の高い人』であるということ。そのために私がおすすめしているのが、日々の小さな『できたこと』を発見すること。自分が『できた』と感じる事柄は、自分のプラス面に目を向け、自己肯定感を上げることにつながっていくのです」

 永谷さんのアドバイスをもとに『AERA with Kids冬号』で紹介しているのが、「できたこと日記」。毎日の「できたこと」を記入し、その日の感情もマークで記します。それを1週間ごとに見直し、「今週のベストできたこと」を自分で選び、それが「なぜできたのか?」「今それをどんなふうに感じている」か「明日からどんな工夫をするか」掘り下げていきます。永谷さんの調査によると、この「内省」を3か月以上続けた人は、続けなかった人に比べて目標達成の度合いが18%アップするそう。少しずつでも行動を改善することが、大きな成果につながるからです。

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AERA dot.編集部
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