■脳卒中の症状と後遺症

 脳卒中の特徴の一つは症状が突然現れることです。脳梗塞と脳出血ではよく似た症状がみられます。発症した部位によりますが、よく現れるのは半身麻痺(まひ)です。左右どちらか一方の手足がしびれたり動かなくなったり、顔がゆがんだりします。また、ろれつが回らない、言葉が出てこない、といった言語障害も起こります。

 意識がぼーっとしたり、急に倒れたりする意識障害が起こることもあります。物が二重に見える、視野が半分欠けるなど、目に症状が現れる場合もあります。立っていられないほどの激しいめまいも症状の一つです。

 くも膜下出血の症状の最大の特徴は、経験したことのないような激しい頭痛が突然に起こることです。意識を失う場合もあります。

 こうした危険な症状が現れたら迷わず救急車を呼び、病院で治療を受けましょう。迅速な治療がその後を左右します。

 脳卒中では後遺症として障害が残ることがあり、機能回復のためのリハビリをおこないます。それでも介護が必要な状態になることも多く、厚生労働省の調査では「介護が必要となった主な原因」のトップは脳卒中で2割近くを占め、認知症や高齢による衰弱を上回っています。本人の生活の質は大きく下がり、認知症にいたるケースもあります。

 主な障害は、片側の手足が思うように動かせなくなる片麻痺、言葉がうまく話せない構音障害や失語症といった言語障害、ものをのみ込むことが困難になる嚥下(えんげ)障害などです。また、高次脳機能障害は、人や物の名前が覚えられない、見通しを立てられない、感情のコントロールが難しいなど、一見しただけでは障害があるとわかりにくい障害です。

 いずれもリハビリを続けて機能回復、生活関連動作の再獲得、社会参加を進めていきます。

(取材・文/須藤智香)